メールマガジンバックナンバー

こうちさんぽメールマガジン第15号

2008.4.1

トピックス

「労働災害防止計画(案)」についての労働政策審議会に対する諮問について

厚生労働省

平成20年2月20日、厚生労働大臣から、労働政策審議会(会長:菅野和夫 明治大学法科大学院教授)に対し、第11次「労働災害防止計画(案)」について諮問を行った。これらについては、同審議会第34回安全衛生分科会(分科会長:平野敏右 千葉科学大学学長)において審議が行われ、同日、同審議会から厚生労働大臣に対して、「妥当と認める」旨答申があった。厚生労働省では、この答申を受け、労働災害防止計画の策定を行う。第11次労働災害防止計画は4月1日からスタートすることとなる。
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特定健康診査等の実施に関する協力依頼について

厚生労働省

「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、4月から特定健康診査・特定保健指導の実施が医療保険者に義務付けられる。
これに先立ち、厚生労働省は、平成20年1月17日付け(基発第0117001号、保発第0117003号)で、同省労働基準局長と同省保険局長の連名により、(社)日本経済団体連合会など119の関係団体に対し通知を発出、このなかで、労働安全衛生法に基づく定期健康診断の実施者である事業者が医療保険者と協力すべき事項を示し、医療保険者への協力・連携と会員事業場への周知を要請した。
また、同省は、同日付け(基発第0117002号)で都道府県労働局長あて、通達を発し、このなかで、前記団体や事業場からの問い合わせ等があった場合における適切な対応を指示した。
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職場における腰痛発生状況の分析について

厚生労働省

厚生労働省は、平成16年に職場において発生した休業4日以上の腰痛を調査分析し、昭和61年及び昭和63年の腰痛の発生状況との比較等を行った結果を平成19年2月6日(基安発第0206001号)、都道府県労働局に通達した。これは、未だ腰痛が業務上疾病全体に占める割合の約6割と依然として高い水準で推移しており、最近の業務の質的、量的変化等による業務上の身体の負担の増大が懸念されるところから行ったもの。今回の調査で業種別に最も多かったのは「製造業」の752件で、次いで「商業、金融・広告業」714件、「保健衛生業」697件、「運輸交通業」679件の順となっている。さらに、保健衛生業のうち「社会福祉施設」で407件発生していることから、別途調査を行い、結果をまとめた。今回の調査では腰痛発生時の作業に係る取扱い対象を「人」「荷」及び「その他」の3つに分類している。社会福祉施設での腰痛については、人を対象とする取扱い動作による腰痛が344件になり、そのうち保育を除く320件のうち、224件が移乗介護によるものであった。
厚生労働省では、これらの結果を踏まえ、腰痛予防対策を進めるとともに、関係事業場において、職場にひそむ腰痛の発生要因を発見し、その排除又は軽減により積極的に取り組むことが必要である、としている。
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なお、移乗介護に関しては、独立行政法人労働安全衛生総合研究所が発行している「介護者のための腰痛予防マニュアル~安全な移乗のために~」(平成19年2月初版)において移乗介護のための介護機器の活用を紹介している。当該マニュアルは独立行政法人労働安全衛生総合研究所ホームページから入手できます。

ナノマテリアル製造・取扱い作業現場における当面のばく露防止のための予防的対応について

厚生労働省

厚生労働者は、平成20年2月6日付け(基発第0207004号)により、近年、工業用材料としての利用が拡大しているナノマテリアルについて、都道府県労働局長あて通達を発し、1.ナノマテリアルの製造・取扱い設備におけるばく露防止措置、2.作業管理等、3.使用保護具について等、ナノマテリアルに対する当面のばく露防止のための予防的対応を示し、関係事業場への周知を指示した。
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第1回ヒトに対する有害性が明らかでない化学物質に対する労働者ばく露の予防的対策に関する検討会、第1回ナノマテリアルの安全対策に関する検討会(第1回合同会合)
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石綿障害予防規則第3条第2項の規定による石綿等の使用の有無の分析調査の徹底等について

厚生労働省

厚生労働者は、石綿障害予防規則に基づく石綿等の分析調査で、アクチノライト、アンソフィライト及びトレモライトを対象としていない場合が見受けられることを受け、平成20年2月6日付け(基安化発第0206003号)で、都道府県労働基準部長あて通達を発し、分析調査の的確な実施を図るよう指示した。
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平成19年度化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会報告書及びそれに基づく行政措置について

厚生労働省

厚生労働省は、平成20年3月17日、平成19年度化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会報告書及びそれに基づく行政措置について発表した。「国は未規制の有害化学物質について、化学物質に係る労働者の作業内容等のばく露関係情報等に基づき、リスク評価を行い、健康障害発生のリスクが特に高い作業等については、特別規則による規制を行う等のリスク管理を講じることが必要である」とされ、国が行うリスク評価の方法、リスク評価後の措置等について検討するため、「労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会」が設置されている。平成19年度は、2,3-エポキシ-1-プロパノール、塩化ベンゾイル、オルト-トルイジン、クレオソート油、1,2,3-トリクロロプロパン、ニッケル化合物(ニッケルカルボニルを除く。以下同じ。)、砒素及びその化合物(三酸化砒素を除く。)、フェニルオキシラン、弗化ビニル及びブロモエチレンの10物質について「化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会」(座長:櫻井治彦 中央労働災害防止協会労働衛生調査分析センター所長)において検討を行い、今般その報告書が取りまとめられた。今後、
厚生労働省においては、本報告書を踏まえた法令の整備等を予定しているが、ニッケル化合物並びに砒素及びその化合物(三酸化砒素を除く。)については、法令の整備を待たず、速やかに本報告書を踏まえた対策を行うことを関係事業主団体等に対し要請した。た。今後、厚生労働省においては、本報告書を踏まえた法令の整備等を予定しているが、ニッケル化合物並びに砒素及びその化合物(三酸化砒素を除く。)については、法令の整備を待たず、速やかに本報告書を踏まえた対策を行うことを関係事業主団体等に対し要請した。
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「労働時間等見直しガイドライン」の改正について

厚生労働省

厚生労働省は、平成20年3月24日、労働時間等の見直しに関する取組を一層推進することとし、労働時間等の設定の改善に関する特別措置法第4条第1項の規定に基づく「労働時間等設定改善指針」の改正について発表した。本指針は、事業主及びその団体が、労働時間等の設定の改善について適切に対処するために必要な事項について定めるもの。
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「学校における自動体外式除細動器(AED)の設置状況調査」について

文部科学省

~全国の学校でAED設置、4割~

今般、文部科学省は、「学校の安全管理の取組状況に関する調査」及び「学校における自動体外式除細動器(AED)の設置状況調査」の結果について公表した。「学校における自動体外式除細動器(AED)の設置状況調査」については、今回初めて国公私立を対象(公立学校は昨年度も実施)に平成18年度の設置状況と平成19年度中の設置予定状況の調査が行われた。
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相談員の窓

上がり症?それとも‥‥

基幹相談員 伊藤 高(いとうクリニック 院長)

大勢の前でプレゼンテーションするとき、どうしても緊張してしまいますよね。特にここ一番という時に・・・それは誰もが経験する当たり前のことかも知れません。 しかし、人前に立って皆の注目を浴びて、何かパフォーマンスしようとすると、心臓がバクバク、胸も苦しくなり、呼吸も・・・そして手に汗を握り、手足が震える、声も裏返ってしまう、胃もきりきりと痛んで、不安感で頭が真っ白になり、何もできなくなる。もし、今度そのような場面に遭遇したら、どうしようかとそれだけで不安になってしまう。ここまでの悩みを持つ人は少ないかも。これは、単なる上がり症ではなく、社会不安障害という病気の可能性があります。脳の奥の方にある扁桃体という、不安や恐怖を司る部分の感受性が高くなっているからだとも、言われています。誰かと食事をするとか、初対面の人や権威のある人と話をするとか、人の前で文字を書くなど様々な場面で同じような症状が出る人もいれば、ある特定の状況でのみ生じる人もいます。これらに対して、選択的セロトニン再取込阻害剤(SSRI)の継続的な内服や、抗不安剤やβ阻害剤の頓服等の薬物療法が有効です。
さらにこれに加えて、それまでは苦手で逃げていた場面に、あえてチャレンジして自信をつけていく、行動療法的なアプローチも必要です。もし、人前が苦手で苦労されている方がおられたら、是非心療内科あるいは精神科の門を叩いてみて下さい。人生が変わるかもしれません。

タバコのあれこれ

基幹相談員 坪崎 英治(高知検診クリニック院長)

序 私は69歳の男性で職業は医師です。20年ほど前になんとかタバコをやめました。さて、最近ほど煙草のみにとって厳しく、過ごしにくい時代はありませんね。先の大戦中は物資不足のため配給で手に入る煙草の量が限られており、超ヘビースモーカーであった私の父親なども大変な苦労を重ねていたのを思い出します。かくいう私も幼いときから父親の副流煙を吸って育ったせいか、二十歳の頃には立派な中毒者で毎日四十本から五十本は吸っていました。家庭内であろうが、職場であろうが、列車のなかですら遠慮なく吸えた時代ですから、今想うと隔世の感があります。それが20年前の大晦日の晩に、あるきっかけで禁煙を誓い、どうにか今まで続いています。もっとも、それまでに数回の挫折経験がありましたし、禁煙中にも夢のなかで猛烈に煙草を吸っている自分に気が付き、苦笑いしながら目が覚めたことも何回かありました。しかし、現在のように世を挙げての禁煙の時代では、もう二度と煙草を始めることはないだろうと安心しています。煙草の中毒性、依存性、離脱時の禁断症状の強さはニコチンアルカロイドによる
ものですが、麻薬である阿片モルヒネに匹敵すると云われています。両者の違いは、人格の崩壊が煙草には無いだけだということのようです。
さて、煙草というものが人類の歴史に登場したのは、南米メキシコのユカタン半島にあるインディオの石造神殿遺跡の地下の壁面に、パイプ喫煙している神官の絵が描かれているのが最古の記録といわれています。わが国に始めて入ってきたのは西暦1500年代の後半、かの有名な種子島への鉄砲伝来と同時といわれています。鉄砲はただちに国産化が始まり、二~三年を経ずして全国に拡がり、近隣の韓国などにも輸出していたというから驚きものですが、煙草のほうも負けず劣らず素早く国内栽培が普及し、喫煙の風習が全国に広まりました。明治の後半に、日本は日清・日露の両戦役を敢行しましたが、その膨大な戦費の一部を賄うために国は煙草を専売品として定め、多額の収益をあげました。喫煙の悪習は国の公認のものとなったのです。反面、高額な税金を課せられても人々は喫煙の習慣から逃れることが出来なかったことを示しています。
喫煙が健康に害を及ぼすことは、既に皆様は充分にご承知のことと存じますが大別すると次の三種が挙げられます。
まずはニコチン及びタールによる発癌です。喫煙者の尿を調べると40種以上の発癌物質が含まれており、肺癌のみならず全癌の発症を押し上げる危険なものです。その発癌性の強力さは、恐らく原子力放射性物質に匹敵するほどです。日本では2000年以降死亡総数の一位を肺癌が占め続けています。喫煙者本人のみならず、同居家族が吸わされてしまう副流煙にも強い発癌性をもっていることが判っています。
第二はニコチンの血管毒としての有害性です。ニコチン吸収は血管壁を収縮させ、血圧を上昇させることから高血圧、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞、狭心症などの発病危険因子の最大のものと認識されています。また、胃潰瘍などの発病率を上げることも良くしられています。
第三は最近とみに注目されるようになりましたが、まだ充分には周知されていない煙草の肺機能を冒す有害性です。COPDまたは慢性閉塞性肺疾患という新たに増えつつある重大な肺の生活習慣病です。これについては誌面字数の制約から次号に紹介したいとおもいます。

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