メールマガジンバックナンバー

こうちさんぽメールマガジン第13号

2008.2.1

トピックス

「働く人の自殺予防に関するセミナー」等の開催のご案内

我が国における自殺者は、平成10年から9年続けて3万人を超え、このうちの約9千人は雇用されて働く人たちとなっています。自殺予防は、労働者とその家族の幸せを確保するとともに、社会の健全な発展を図るという観点から重要な課題となっており、このような状況を踏まえ、自殺の実態、自殺の予兆、日常の配慮と相談対応、うつ病患者の早期発見や職場において万一自殺者が発生した場合の対応などについてのセミナーが下記のとおり開催されます。
また、近年「心とからだの健康づくり」が重要さを増しており、「労働者の健康の保持増進のための指針(THP指針)」が平成19年11月30日に改正されました。(この後にTHP指針の改正に係る記事を掲載しています。)メタボリックシンドロームに代表されるように事業場として取り組みやすい健康体操等の紹介などの「THP研修会」もあわせて開催されます。

  1. 主催   厚生労働省・中央労働災害防止協会高知県支部((社)高知県労働基準協会連合会)
  2. 日時   平成20年2月15日(金)13時00分~16時30分
  3. 場所   高知共済会館 3階 金鵄
    高知市本町5-3-20 TEL:088(823)3211
  4. 対象者  事業者、管理監督者、産業保健スタッフ等
  5. 参加費用 無料
  6. 定員   100人
  7. 内容
    • 働く人の自殺予防に関するセミナー
      講師:いとうクリニック 院長 伊藤  高 氏
    • THP研修会
      ○健康体操の紹介等健康指導
      講師:(財)高知県総合保健協会 健康運動実践指導者 川村 由佳 氏
      ○THPデモンストレーション事業の紹介等
      (社)高知県労働基準協会連合会 THP担当者
  8. 申込・問い合わせ先
    中央労働災害防止協会高知県支部((社)高知県労働基準協会連合会)
    〒780-0821 高知市桜井町2丁目6-31コーポNOR1F
    TEL:088(861)5566 FAX:088(861)5567

「事業場における労働者の健康保持増進のための指針の改正」について

厚生労働省

平成19年11月30日、「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」が改正され、公示された。
今回の改正は、これまで各事業場はTHP指針に基づき「トータル・ヘルス・プロモーション・プラン」を推進してきましたが、中小規模事業場では普及が十分に進まないという実態を受け、中小規模事業場においても取り組みやすいような仕組みにするため行うもので、概要は以下のとおり。

事業場における労働者の健康保持増進のための指針について

国は、労働安全衛生法第70条の2第1項の規定に基づき、事業場における労働者の心身両面にわたる健康保持増進措置(トータル・ヘルス・プロモーション・プラン。以下「THP」という。)を推進するため、昭和63年に「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」(以下「THP指針」という。)を策定したところである。
現行のTHP指針に基づくTHPは、個々の労働者に対して実施する健康測定の結果を踏まえて、産業医が指導票を作成し、専門スタッフが健康指導(運動指導、保健指導、心理相談及び栄養指導)を当該指導票に基づき行うことにより労働者の心身両面にわたる健康の保持増進を図るもの。

改正の概要
  1. 健康保持増進計画の策定関係
    • 事業者は、健康測定や運動指導等の健康保持増進措置について、中長期的視野に立って継続的かつ計画的に行うため、健康保持増進計画を策定するように努めることとされているところであるが、同計画の策定に当たっては、
      1. 事業者自らが健康保持増進を積極的に推進する旨及び
      2. 健康保持増進計画の実施状況の評価及び計画の見直しを行う旨を明文化するものとすること。
  2. 事業場内健康保持増進対策の推進体制の確立関係
    • 事業場内の健康保持増進対策を推進するために整備すべき体制については、指針に示されている体制にとらわれすぎることなく、事業場の状況に応じた体制の整備に努めるべきものとすること。
    • 健康保持増進措置を実施するスタッフ(産業医、運動指導担当者、運動実践担当者、心理相談担当者、産業栄養指導担当者及び産業保健指導担当者)については、一定の要件の下、指針に記載されている役割を兼務することを可能とすることとすること。
    • 事業場においてTHP推進担当者を選任するべきものとすること。
  3. 労働者健康保持増進サービス機関等の利用関係
    • 事業者の委託を受けて、労働者の健康の保持増進のための業務を行う機関(以下「労働者健康保持増進サービス機関等」という。)等を利用する場合の健康保持増進専門委員会設置については、労働者健康保持増進サービス機関等の各専門スタッフが健康保持増進専門委員会に参画することや、産業医又はTHP推進担当者が労働者健康保持増進サービス機関等と連携することにより健康保持増進専門委員会の機能を代替させることが可能である旨明記すること。
    • 健康保持増進措置の内容関係
    • 労働者の健康状況を把握し、その結果に基づいた運動指導やメンタルヘルスケア等の健康指導を行うために実施することとされている健康測定については、一般健康診断の結果を活用して差し支えないこととするとともに、必要に応じて運動機能検査を行うこととすること。
    • 第一段階として産業医が中心となって労働者自身の健康認識に応じた健康づくりに関する全般的な指導を行い、これをもとに必要があれば第二段階として運動指導、保健指導等必要な健康指導を実施することも認めることとする。
    • 指導内容が複数の労働者に共通する場合については、複数の労働者に対し斉一に指導することも認めることとすること。
  4. 個人情報の保護への配慮関係
    • 個人情報を含む労働者の健康情報の保護に関しては、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)及び関連する指針等を遵守し、労働者の健康情報の適正な取扱いを図るものとすること。
      「THP指針」の本文は、当センターホームページの産業保健情報の産業保健関連法令・通達情報に掲載しています。

粉じん障害防止規則等の一部改正について

厚生労働省

平成19年12月4日、粉じん障害防止規則、じん肺法施行規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令が公布された。
これは、平成19年7月に独立行政法人労働安全衛生総合研究所の研究班により「粉じん障害防止対策の課題と方向性について」が報告されたことを踏まえて改正するもの。(2007.12.3こうちさんぽメールマガジン第11号参照)
改正の概要は以下のとおり。

粉じん障害防止規則の一部改正

  1. 粉じんにさらされる労働者の健康障害を防止するための措置を講ずる必要のある「粉じん作業」として、次に掲げる作業等を規定すること。
    • ずい道等の内部の、ずい道等の建設の作業のうち、コンクリート等を吹き付ける場所における作業
    • 屋内において、金属を溶断し、又はアーク溶接する作業のうち、自動溶断し、又は自動溶接する作業
  2. 事業者は、粉じん作業を行う坑内作業場(ずい道等の内部において、ずい道等の建設の作業を行うものに限る。3.において同じ。)については、当該粉じん作業に係る粉じんを減少させるため、換気装置による換気の実施又はこれと同等以上の措置を講じなければならないものとすること。
  3. 事業者は、粉じん作業を行う坑内作業場について、ずい道等の長さが短いこと等により、空気中の粉じんの濃度の測定が著しく困難である場合を除き、半月以内ごとに一回、定期に、空気中の粉じんの濃度を測定しなければならないものとすること。
  4. 事業者は、3.による空気中の粉じんの濃度の測定の結果に応じて、換気装置の風量の増加その他必要な措置を講じなければならないものとすること。
  5. 事業者は、ずい道等の内部において、ずい道等の建設の作業のうち、発破の作業を行ったときは、発破による粉じんが適当に薄められた後でなければ、発破をした箇所に労働者を近寄らせてはならないものとすること。
  6. 事業者は、ずい道等の内部の、ずい道等の建設の作業のうち、次に掲げる作業に労働者を従事させる場合にあっては、当該作業に従事する労働者に電動ファン付き呼吸用保護具を使用させなければならないものとすること。
    • 動力を用いて鉱物等を掘削する場所における作業
    • 動力を用いて鉱物等を積み込み、又は積み卸す場所における作業
    • コンクリート等を吹き付ける場所における作業
  7. その他所要の規定の整備を行うこと。

じん肺法施行規則(昭和35年労働省令第6号)の一部改正

  1. 従事する労働者がじん肺にかかるおそれがあると認められる「粉じん作業」として、次に掲げる作業等を規定すること。
    • ずい道等の内部の、ずい道等の建設の作業のうち、コンクリート等を吹き付ける場所における作業
    • 屋内において、金属を溶断し、又はアーク溶接する作業のうち、自動溶断し、又は自動溶接する作業
  2. その他所要の規定の整備を行うこと。

労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)の一部改正

粉じん作業に係る業務に従事した者に係る健康管理手帳の様式に、喫煙歴を記入する欄を設けること。

施行期日等

  1. この省令は、平成20年3月1日から施行するものとすること。
  2. この省令の施行に関し必要な経過措置を定めること。

じん肺健康診断及びじん肺管理区分の決定におけるDR(FPD)写真の取扱い等について

厚生労働省

じん肺健康診断及びじん肺管理区分の決定において条件付で「DR(FPD)写真」が認められるようになりました。
じん肺法(昭和35年法律第30号)に基づき、じん肺健康診断及びじん肺管理区分の決定(以下「じん肺健康診断等」という。)においては、エックス線写真を用いることとされています。
近年、エックス線写真に関しては、医療機関において、デジタル写真の一種である「半導体平面検出器を搭載した一般撮影装置による写真」(DR(FPD)写真)が普及しつつあることを踏まえ、専門家による検討をおこなったところ、一定の条件下でDR(FPD)写真をじん肺健康診断等に使用することが可能であるとの結果が得られたことから、じん肺健康診断等に用いるレントゲン写真がDR(FPD)写真である場合の留意事項等が示されました。(平成19年11月16日、基安労発第1116001号)
詳細については、高知労働局労働基準部安全衛生課(TEL088-885-6023)又は各労働基準監督署まで お問い合わせください。

特定化学物質障害予防規則等の改正について

厚生労働省

平成19年12月14日、ホルムアルデヒド、1,3-ブタジエン及び硫酸ジエチルに係る健康生涯防止対策を強化することを目的として、「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(平成19年政令第375号)が公布され、これに伴い、平成19年12月28日に「特定化学物質障害予防規則等の一部を改正する省令(平成19年厚生労働省令第155号)その他関係告示が公布・公示されました。
今回の改正は「平成18年度化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会」において労働安全法関係法令の整備を検討すべきとされた3物質(ホルムアルデヒド、1,3-ブタジエン、硫酸ジエチル)について必要な改正を行うこととするもの。施行期日は、一部の規定を除き、平成20年3月1日。
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長時間労働者への医師による面接指導制度の全面適用について

厚生労働省

~常時50人未満の労働者を使用する事業場も平成20年4月より義務化~

労働安全衛生法の改正により、平成18年4月から脳・心臓疾患の発症を予防するため、長時間にわたる労働により疲労の蓄積した労働者に対し、事業者は医師による面接指導を実施することが義務付けられています。常時50人未満の労働者を使用する事業場については、適用を猶予されていましたが、平成20年4月1日から適用されることとなり、全面的な適用となります。
長時間労働者への面接指導制度の概要、面接指導等の実施に係る流れ等については、下記の厚生労働省のホームページに掲載されています。
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中小企業労働時間適正化促進助成金の創設について

厚生労働省
働き方の見直しにより、長時間労働の是正に積極的に取り組む中小事業主の方々を 支援するため、「中小企業労働時間適正化促進助成金」が創設されました。是非ご活用ください。
本助成金は、

  1. 特別条項付き時間外労働協定を締結している中小事業主であって、
  2. 時間外労働削減等の措置及び省力化投資等の措置又は雇用措置を盛り込んだ

「働き方改革プラン」(実施期間1年間)を作成し、都道府県労働局長の認定を受け、これを実施した方に100万円を支給するものです。
本助成金の詳細については、高知労働局労働基準部監督課(TEL088-885-6022)まで お問い合わせください。
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相談員の窓

作業環境測定結果報告書の事業場記入欄の活用について

東洋電化工業株式会社 中西淳一

私は作業環境測定士として、測定委託を受けました事業場を訪問した際、前回の測定後、点検あるいは改善措置を実施したかどうか、またその結果はどうであったかをお伺いし、併せて前回までの作業環境測定結果報告書を拝見させて頂くことがあります。いずれの事業場でも、作業環境測定結果報告書はしっかりと保管されていますが、作業環境測定結果報告書の1ページ目の下段が空欄のままになっている場合を多く見受けられます。
作業環境測定結果報告書の1ページ目の下段には、

  1. 衛生委員会、安全衛生委員会またはこれに準ずる組織の意見
  2. 産業医または労働衛生コンサルタントの意見
  3. 作業環境改善措置の内容

を事業場の責任において記入する欄があります。
この欄は、作業環境測定結果の評価に応じて、事業場の作業環境改善等に対する取り組み姿勢を示すものであり、上段の当該単位作業場所における管理区分等の推移の表と併せて、各単位作業場所毎に保存することにより、改善の経過と作業環境測定結果が一目で分かる仕組みとなっています。
今回はご参考までに、作業環境測定結果報告書の1ページ目の下段の事業場記入欄への記入および事後措置に関する留意事項を以下に示しますので、是非ご活用下さい。

  1. 当該単位作業場所が、第2または第3管理区分と評価された場合には、現状における問題点および第1管理区分に移行させるための改善対策について、衛生委員会等に提出された意見をまとめて記載します。その際には、設備的な改善と作業方法の改善に分け、また、直ちに改善できるものと、中・長期的な計画で実施するものとに分け、期間を限定した実施計画を併せてそれぞれの欄に記載するようにします。
  2. 第1管理区分と評価された場合でも、健康診断結果をふまえた産業医の意見を含めて、総合的に良好な作業環境であるかどうかについて判断しなければなりません。また、より快適な作業環境を形成し、維持するための意見及び計画を取りまとめることが必要です。
  3. 産業医または労働衛生コンサルタントの意見の欄には、職場巡視の実施と併せて健康診断結果のデータを閲覧した上で、それぞれの意見を聞くようにしなければなりません。作業環境測定結果と健康診断結果との整合性がない場合は、作業者のばく露濃度の測定等の要望が出されることも考えられますので、体制の整備を考慮する必要があります。また労働衛生コンサルタントからは、職場の環境改善について、専門家としてのより具体的な意見を得ることが期待できます。
以上

資料紹介

『衛生管理者の職務と能力向上』

(全国衛生管理者協議会・事業検討委員会、H19.9)

全国衛生管理者協議会、「衛生管理者の職務と能力向上」という資料が出されている。
「まえがき」には、最近の労働衛生の動向を踏まえ、“衛生管理者は、事業場における経営方針、生産管理、品質管理とともに、リスクアセスメント及び労働安全衛生マネジメントシステムに基づく労働衛生管理を経営管理の中に組み入れていく必要がある”との認識から、衛生管理者の能力向上のため、第一線の衛生管理者の「道しるべ」として企画されたことが述べられている。
衛生管理については、昭和61年に示された「統括管理」、「作業環境管理」、「作業管理」、「健康管理」及び「労働衛生教育(管理)」の5管理による職務体系が使われてきているが、この体系のもとに衛生管理者の職務を見直し、従来の「個別的機能」、「管理的機能」、「組織的機能」を「基本的機能」、「専門的機能」及び「マネジメント機能」に改め、5管理それぞれについて各機能ごとに、その内容と教育訓練の例が示されている。
近年の動向を踏まえた職務体系、機能が示されており、現場の労働衛生管理の展開に参考になると思われる。とくに、他にくらべてやや理解がすすまない側面もある「統括管理」と「作業管理」について活用が期待される。
この資料は、インターネットから入手できる。
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