お知らせ

健康窓口係としての保健指導

「こうちさんぽメールマガジン」2010.2月号より

保健指導担当相談員 小澤 若菜

産業保健には、定期健康診断終了後に事後措置があります。健康診断は、安全衛生上のスクリーニングの意義が強く、業務上の関わりを中心として従業員が健康を損なっていないか評価しながら、作業改善や配置転換などがおこなわれています。つまり、安全配慮義務との関係であり、私病と業務の影響も関連してきます。
平成20年4月からは「過重労働による健康障害防止」いわゆる過労死対策が始まっています。私病と業務上の安全配慮義務の関係は、過労死裁判の場合、事業所が私病に対してどこまで責任を負うのかが議論されています。
現在、個人的な健康上の課題の一つ生活習慣病への対策は、先のような事業者による安全配慮義務としてだけでなく、医療保険者による特定健康診査・特定保健指導の制度としても実施されるようになりました。その理由は、生活習慣病が遺伝要因だけでなく、職場などの生活環境要因や個人の生活習慣要因が影響しているといわれる所以だと思います。
景気に左右される職場環境のなかで、健康障害や疾病へのリスクを冒してでも働くことを優先にせざるをえない社会のあり方や、対策そのものへの賛否両論は少なくありません。しかし、働いている中高年の方々が以前よりも健康に関心を向けることができるような環境になったことは確かではないでしょうか。このような機会のなかで、働く人々が新しい価値とライフスタイルを持つようになったのか、気軽に語れる場が保健指導だと思います。
従業員の方々が、みずからの健康価値と職場の価値規範との折り合いを見つけ、より良い状態になることができるような保健指導を目指し、今後さまざまな職場で働く産業看護職の方々と連携協働していけたらと考えています。

ご相談・ご要望を受け付けています。

ご利用時間:午前8時30分~午後5時15分(土・日曜日・祝祭日、年末年始除く)

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