お知らせ

労働安全衛生関係法令のあれこれ

「こうちさんぽメールマガジン」2008.12月号より

労働衛生関係法令担当相談員 樋口 悠紀夫

前回に引き続き、労働衛生関係の法令等に関して思い浮かぶことを、つれづれに書いてみたいと思います。

徒然記 その4

「腰痛」という、この問題は、人類が1本の足で歩行を始めて以降、現在は約80%の人が一生に一度は経験する人間の宿命とも言われています。

労働衛生の面でみても、業務上疾病の約6割を腰痛が占めていて、腰痛の予防対策は、職業病予防対策の中でも重要な課題となっています。

それでは、腰痛に関して、労働安全衛生関係法令等にはどのような定めがあるのでしょうか。

まず、労働安全衛生の基本法である労働安全衛生法(以下、「法」という。)では、第24条に「事業者は、労働者の作業行動から生ずる労働作業を防止するため必要な措置を講じなければならない。」と規定していて、この条文は、例えば重量物の運搬の際に発生する腰痛症のように労働者の作業行動による災害を防止するため、必要な措置を事業者に義務付けたものであると解釈されています。

この法に基づいて、労働安全衛生法施行令や労働安全衛生規則(以下、「安衛則」という。)等の厚生労働省令があり、安衛則には、例えば、腰痛に関しては、安衛則第24条の「事業者は、持続的立業に従事する労働者が就業中しばしばすわることのできる機会があるときは、当該労働者が利用することのできるいすを備えなければならない。」という規定や、休養設備の設置、作業場の床面の整備、雇い入れ時等の際の安全衛生教育の実施、健康診断の実施等の規定が設けられています。

これらの法令に規定された事項は、腰痛防止対策の基本的事項ですので、更に同対策をきめ細かく実施すべき事項や法の趣旨・解釈などが、厚生労働省から出された行政通達・指針等に示されています。

詳しくは、平成6年9月6日付けの「職場における腰痛予防対策の推進について」と題する通達を御覧いただきたいと思います。

このように、腰痛問題に限らず、職場に生じる様々の労働衛生問題に関する法律は、法を根拠にして政省令・通達等の法体系に基づいて具体的に実施すべき事項が定められていますので、このことに留意の上、関係法令等を参照していただければと思います。

ところで、先日、私はエジプト旅行に出掛けて、ギザの三大ピラミッドをはじめ各地の神殿など同国が誇る数々の世界遺産を見てきました。

中でも、約4500年前に建造されたクフ王のピラミッドは、高さが約147メートル、一辺の長さ約230メートルもある壮大なもので、平均2.5トンの石灰岩約100万個からなり、建設には30年の歳月と膨大な労働力が費やされたということです。

このように巨大な建造物が人力のみによって作られたことは、誠に驚くばかりでその威容に圧倒されました。

これが人力のみによって建造されただけに、当時、作業に従事していた人々は、怪我や腰痛などに悩まされていただろうと想像されます。

これらの問題に古代の人々がどのように対処していたのだろうかと思いを巡らせつつ帰国したことでした。

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