お知らせ

働く人のメンタルヘルス

「こうちさんぽメールマガジン」2008.7月号より

カウンセリング担当相談員 森 由枝

背景

  • 集団から個へ・身体から心へ
  • メンタル面で不調をきたす労働者が増加しており、社会問題化しています
  • 自殺者は3万人を超え、これは交通事故死亡者の4倍位の数になっています
  • メンタルヘルス不全
    精神病・神経症・心身症などの他にもメンタルヘルス不全には言動の偏りも含まれ、事故多発、無断欠勤などの職場不適応、セクシャルハラスメントなどの性的行動、問題飲酒、薬物乱用などがあげられます。その背景状況をしっかりと把握し理解することが大切です。

厚生労働省よりの指針等

  • 平成12年8月9日 厚生労働省より
    「事業所における労働者の心の健康づくりのための指針」の発表

    1. メンタルヘルスケアの基本的な考え方
    2. 心の健康づくりの計画
    3. メンタルヘルスケアの進め方
  • 平成20年3月1日施行 労働契約法第5条
    「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命・身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」

具体的なメンタルヘルスケアの進め方について、心の健康づくりの4つのケアが示されています

  1. セルフケア
    労働者の気づきや自らの対応による職場環境等の改善
  2. ラインによるケア
    管理監督者による職場環境等の改善
  3. 事業場内産業保健スタッフ等のケア
    産業医・衛生管理者
  4. 事業場外資源によるケア
    事業場外の専門機関

職場環境とは

・物理的環境
・※人間関係 -------→ 日常からの気づき(必要な対応と状況の提供)
・仕事の質的、量的負担  ・毎週上司や同僚との話し合いの機会を設ける
・仕事の自由度、裁量度  ・小さな成功を積極的に評価する
・期限納期の作業スケジュール  ・話を聴く(日常の出来事)
・組織形態  ・名前をよぶ
 ・声かけを惜しまない
 ・聴き役になる
 ・共感的態度で接する
 ・批判はひかえる
 ・結論や助言を急がない
 ・プライバシーに配慮する

おわりに

人はいつでも「元気でいたい」、「欲求を満たされたい」、「楽しく(快感)ありたい」と思うものです。しかし欲求が満たされないとき又、不快なときこの気持ちがストレッサー(ストレスを生ませる要因)となり、本音の欲求とは反対の事実に対し葛藤(ストレス)が生じ、身体の機能が変調を生じそれぞれ人の弱い機能に影響を受けているようです。特に本音の欲求と現実との出来事の違いに距離が出来たとき、その差が大きければ大きいほど葛藤(ストレス)は大きく、その現実を認めずして記憶の中に押し込めてしまい、抑圧することとなるでしょう。心身のエネルギーが消耗し、元気がなくなります。そのときどのようにしたらよいのでしょうか。

身体で覚えた記憶は大脳(本能)と深いつながりがあると言われています。この記憶となる出来事をどのように整理して記憶として残すのか、できれば、楽しい(快感)記憶としたいものです。

葛藤(ストレス)を「のりこえた」という「達成」として記憶の出来事に納めることはできないものでしょうか。

人は毎日生きています。日々は違った変化があります。その変化を少しずつ体験している、それがいつしか達成感という快感となり、この記憶として残った快感が心を動かしてくれます。「元気でいたい」気持ちを支えてくれます。

「喜・怒・哀・楽」と言う言葉があります。喜び、怒り、悲しみ、苦しみ、恨み、辛み、楽しみはその時々に感じたことをありがままに表現する。心の奥にしまっておかないことが元気でいれる自分になることでしょう。

ご相談・ご要望を受け付けています。

ご利用時間:午前8時30分~午後5時15分(土・日曜日・祝祭日、年末年始除く)

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