お知らせ

5月病に対応するためのメンタルヘルス対策について

「こうちさんぽメールマガジン」2007.5月号より

カウンセリング担当相談員 森 由枝

近年、「心の健康」や「メンタルヘルス」「ストレス」という言葉が盛んに用いられています。厚生労働省の調査によると、職業生活にかかるストレスの割合は全体の63%と高く、業務による心理的な負担により精神障害の症状による労災請求も増加しています。

この背景となる原因は、実はこの季節にもあるように思います。image
4月は「さくら」が日本列島を縦断し、希望を抱いて旅立ちの季節、入学、卒業、異動、就職、退職と人それぞれ嬉しいこと、悲しいことを実感する時期でもあります。

新たに社会人になられた新入社員さんは胸をはずませ、仕事に励み頑張っている姿が輝きます。

しかし、学生であった自分との別れや、新たな環境に戸惑いを監事、小さなミスも重なり現実と思っていたことのギャップに悩まれていることも多く見られます。

自分の働きたい、希望した仕事がない、自分は一生懸命しているのに評価されないなどのストレスが解消しないまま、またそのストレスに気づかないまま、気持ちの落ち込みが深まります。

生活環境の急速な変化は心理社会的要因として心の健康に大きく関与し、パーソナリティの障害を生む重大な背景になってくるものです。このような心の摩擦、葛藤がストレスとなります。

ハンス.セリエ博士(カナダの内分泌学者)によるとストレスとは「外界から加わる様々な刺激をストレッサーと名付け、そのストレッサーによって起こる心身の反応(心のひずみ)をストレスと定義しています。

日常生活や職業生活の出来事(ストレッサー)が発生したとき、自分自身の欲求との関係を調整していく過程によって、ストレスが左右されるものと考えます。

この調整は、絶えず変化してやまないものであり、それゆえに意識されることが弱く、無意識の中でどうどうめぐりになっていきます。

この調整機能の一つに喜怒哀楽=情動を知ることが大切です。喜怒哀楽は人間の本能であり、問題をみいだし、変化への可能性があることを知る姿勢ができています。

喜怒哀楽とは、快・不快で分けることができます。

快の情動   ― 安心、希望、愛情、喜び、悲しみ、感謝

不快の情動  ― 不安、失望、罪悪感、悲しみ、苦しみ、恐怖

米国のホームズとレイの「社会再適応評価尺度」の中の43項目の中から該当したそれぞれの項目の平均値の合計が年間300を越えた場合は、心身の健康に障害を起こしうると指摘しています。

その表によると「喪失」=「別れ」がストレス尺度が一番高いことを示しています。

人は不思議なことに自分の問題は自分が一番よく知っていて、自らが解決出来るものですが、喜怒哀楽が先行し、解決ができにくくなります。

ストレスに陥った原因の出来事からそれに伴って生じた感情と言動、どのような要求を考えていたのか、どのように評価したのか、これらの一連の話を傾聴しながら双方向のやりとりの中で、共感し、受容しながら、問題の把握、反復確認、問題の整頓、対処行動の支援を繰り返し、自らの方向付けを見い出すことができ、気持ちの整理がされて、心身の健康が維持出来ていきます。

ご相談・ご要望を受け付けています。

ご利用時間:午前8時30分~午後5時15分(土・日曜日・祝祭日、年末年始除く)

PAGE TOP