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MSDSを活用しよう

労働衛生工学担当相談員 門田 義彦

みなさん、MSDSを知っていますか?作業現場では、塗料や洗浄剤など化学物質を含んだ製品が、広く取り扱われています。MSDSは、こういった製品を購入したときについてくる書類です。この書類には、製品の危険性や有害性などの情報が記載されています。化学物質を含んだ製品を取り扱う現場では、MSDSを利用して、リスク管理をしましょう。

MSDSとは?

MSDSとは製品安全データシート(Material Safety Data Sheet)とよばれるものです。この制度は、国際的に広く取り入れられており、ヨーロッパではSDS、中国ではCSDSとよばれています。日本では、「労働安全衛生法」や「PRTR法(化学物質排出把握管理促進法)」及び「毒物及び劇物取締法」でMSDSを作成しなければならない化学物質を定めています。この化学物質を含む製品を製造したり輸入したりするメーカーは、MSDSを作成しなければなりません。

そして、メーカーはユーザー(事業者)に製品を譲渡・提供する際に、MSDSを渡すことが義務づけられています。譲渡・提供ですから、有償で販売する場合の他に、無償で渡す場合も含まれます。なお、MSDSの提供の方法は、書面のほかにユーザーの同意があれば、磁気ディスクやインターネット上での掲示も認められています。

MSDSには、製品に含まれている化学物質の危険性や有害性などの情報が記載されています。記載事項は、法律によって異なりますが、JISZ7250に示されている事項を記載すれば、すべての法律を満足します。

JISZ7250-2005に示されているMSDSの記載事項

  1. 化学物質等(“製品”)及び会社情報
  2. 危険性有害性の要約
  3. 組成及び製品情報
  4. 応急措置
  5. 火災時の措置
  6. 漏出時の措置
  7. 取扱及び保管上の注意
  8. 暴露防止及び保護措置
  9. 物理的及び化学的性質
  10. 安定性及び反応性
  11. 有害性情報
  12. 環境影響情報
  13. 廃棄場の注意
  14. 輸送上の注意
  15. 適用法令
  16. その他の情報

また、最近ではGHS(化学品の分類及び表示に関する世界調和システム)といって、化学物質を含んだ製品の危険性有害性の種類と程度を、世界的に統一したルールに従って分類し、これらの表示を一目でわかる絵表示で、製品ラベルやMSDSに示すようになっています。

MSDSを利用しよう

MSDSを利用して、職場の安全衛生に役立てましょう。事業者は、化学物質を含む製品を、作業者に取り扱わせる場合には、製品の危険性や有害性等を正しく把握・評価し、その低減措置を講じなければなりません。また、現場で取り扱う作業者に対しては、危険性有害性を説明する責任があります。こういった安全衛生活動の手順にリスクアセスメントがあります。リスクアセスメントなどを行う際には、MSDSを有効に活用しましょう。

具体的には、以下の事項を検討する際に、MSDSの活用が必要となります。

  1. 有害性危険性の把握・評価
  2. 代替原料の検討
  3. 作業工程の検討
  4. 使用する職場での安全衛生設備(局所排気装置等)の能力の検討
  5. 取扱上のルール(安全作業手順等)の策定
  6. 作業者が使用しなければならない安全衛生保護具の検討
  7. 非常時(火災や漏出時)の対応策の検討
  8. 作業者への説明や教育
  9. 適用される法令の確認

このようにMSDSには、安全衛生対策を検討する上で重要な情報が記載されています。しかし、法令や科学的知見は、変更される場合があります。これにしたがって、MSDSも改訂されています。取り扱っている製品のMSDSは、常に最新の版を保管するように心がけましょう。もし手元に最新のMSDSがない場合は、製品の販売店やメーカーに請求してください。

また、MSDSは、作業現場に保管するなど、作業者がいつでも見ることができる状態にしてください。ただ、MSDSは専門用語で書かれているため、現場では敬遠されて、読まれていないのも事実です。理解を深めるために、取り扱っている製品のMSDSの勉強会を開いたり、わかりやすく書き換えたものを掲示したりするなどの工夫をしてください。

以上のとおりMSDSは化学物質を含んだ製品の危険性有害性を記載した重要な書類です。ファイリングしたMSDSを、キャビネットの奥深くに眠らせてしまうことなく、現場で有効に活用するようにしてください。

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