お知らせ

喫煙と歯周病

産業保健情報誌「よさこい」2006.9月号より

高知産業保健推進センター特別相談員 江渕歯科医院長 江渕 有三

近年の健康志向の高まりから喫煙が人体へ悪影響があることが知られてきており、健康増進法にもうたわれたことにより、受動喫煙についても、徐々に分煙対策に取り組む公共施設や民間施設が増加してきました。

禁煙・分煙対策の実施状況

しかし、高知県では、たばこ対策として「完全分煙」をとっているところは、医療機関、歯科医療機関、文化施設で若干見られる程度にとどまっておりまだまだ十分とは言えません。

喫煙の現状

「高知市たばこと健康を考える懇話会」が平成15年にまとめた報告書によると、成人の現状では、以下のような結果が出ています。

  1. 成人の男性42%、女性11%が喫煙している。(全体23%)
  2. 女性は20歳代の喫煙率が最も高い。
  3. 喫煙者のうち約半分の者が禁煙を,約3割が節煙を希望している。
  4. 禁煙・節煙希望理由としては、「健康に悪いから(85%)」、「たばこ代がかかるから(42%)」であった。
  5. 禁煙したことによる変化としては、「人に不快感を与える心配がなくなった(49%)」が最も多かった。
  6. 喫煙による健康影響の周知度は、「肺がん(94%)」「妊娠への影響(76%)」「気管支炎(71%)」「ぜんそく(67%)」の順であり、心臓病・脳卒中・歯周病・胃潰瘍は、50%以下であった。
  7. たばこと健康に関する取り組みの調査では、「歩行中禁煙推進(71%)」「駅や病院での禁煙推進(66%)」が多かった。
  8. 職場での分煙対策は46%で取り組まれているが,適切な方法はそのうち約3割にすぎなかった。

喫煙が健康に害を及ぼすことまでは認知されていますが、職場での分煙対策の遅れが見られ、受動喫煙が健康に及ぼす影響についての認知度の低いことが分かります。

たばこを吸わない人々のみならず、喫煙者自身も受動喫煙の影響を認知し、職場全体で取り組んでほしいと思います。

たばこと全身の健康

健康を害することは認知されているたばこですが、改めてその害についてお話しすると、たばこの煙にはニコチン、種々の発がん物質・発がん促進物質、一酸化炭素、種々の線毛障害性物質、その他多種類の有害物質が含まれています。

喫煙により循環器系、呼吸器系などに対する急性影響が見られるほか、喫煙者では肺がんをはじめとする種々のがん、虚血性心疾患、慢牲気管支炎、肺気腫などの閉塞性肺疾患、胃・十二指腸潰瘍などの消化器疾患、その他種々の疾患のリスクが増大します。

妊婦が喫煙した場合には低体重児、早産、妊娠合併症の率が高くなります。また、受動喫煙により肺がん、虚血性心疾患、呼吸器疾患などのリスクが高くなることも報告されています。

たばこと歯周病

たばこと歯周病

前述の調査結果にもあるように喫煙が、口の中、特に歯茎などの歯周組織に悪影響があることはあまり知られていません。

高知県歯科医師会が16年度に実施した大学生対象の早期歯周病予防対策事業中のアンケート結果では、医療系大学生を含む群で「たばこが歯周病に悪影響があるということを知っている」と答えた学生は全体で57.2%、うち歯科系大学生を除くと「知っている」者が44.3%しかいないという結果が出ています。

歯周病とは

歯の周囲の4つの組織(歯肉、歯根膜、歯槽骨、セメント質)に障害がおこる病気の総称です。

歯周病

歯周病は歯と歯ぐきの間にたまる歯垢や歯石に含まれる細菌が主な原因と言われています。

歯周病の特徴は非常に慢性的でゆっくりと進行するため自覚している方が非常に少ないことです。その結果、際立った症状(痛みを伴って歯肉がはれて、歯がぐらぐらゆれる)になってから歯科医院を受診したら、「抜歯」と言われる方も少なくありません。

歯を失う原因

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