検知管用ガス採取器と検知管の使い方

産業保健情報誌「よさこい」2005.9月号より

高知産業保健推進センター相談員
東洋電化工業(株)分析センター所長 中西 淳一

はじめに

検知管用ガス採取器(真空方式/内容積100mL)は、ピストンの原理を利用してガス検知管内に測定したいガスを通気させるための道具です。吸引直後のガス採取器内の圧力は真空に近く、吸引が終了に近づくに従って外気の圧力に近づきます。
ガス検知管は、測定対象ガスと反応して変色する検知剤がガラス管内に充填されています。ガス検知管の両端を折り、ガス採取器に接続し、ガス採取器のハンドルを引いてガス検知管内に測定したいガスを一定量通気させると、測定したいガスを検知剤が化学反応し変色します。この変色した検知剤層の長さや変色の度合いから濃度を測定することができます。
今回は、当センタ-の北川式ガス採取器AP-20と検知管について、使い方をご紹介します。

ガス採取器と検知管の各部の名称

ガス採取器と検知管の各部の名称

始業前点検(リークテスト)

  1. 両端をカットしていない検知管を取付口ゴム管に差し込み、ボトムケ-スの赤線とシャフトの赤線を合わせ、ハンドルをいっぱいに引いて、シャフトをロックします。
  2. 1分間放置した後、シャフトのロックをはずし、シャフトが元に戻るかどうか確認します。元に戻ればリ-クテストは合格です。
    (シャフトが元の位置まで戻らない場合は、取付ネジのゆるみ、取付口ゴム管の亀裂や劣化、グリスの消耗等が原因で空気が漏れていますので、別途保守が必要となります。その際は、労働衛生工学相談員におたずね下さい。)

測定

  1. 検知管の両端をカットします。
    検知管の両端をチップカッタに差し込み一回転させキズを付け、検知管の根本を持ち、手前に傾けて折り取ります。
  2. ガス採取器に検知管を取り付けます。
    検知管は通気方向が定められていますので、通気方向を確認して、取付口ゴム管にまっすぐ差し込みます。
  3. ハンドルを引きます。
    ボトムケ-スの赤線とシャフトの赤線を合わせ、ハンドルを一気にいっぱいまで引くと、シャフトがロックされます。
  4. 試料ガスを採取します。
    測定場所で一定時間試料ガスを採取し、フロ-インジケ-タで採取の終了を確認します。採取時間は各検知管の使用説明書に明記されています。
  5. ハンドルを戻します。
    試料採取後、ハンドルを右または左に90度回すとロックが外れます。この時シャフトが戻らないことを確認します。検知管によっては試料採取量が200mL以上のものもありますので、その場合は、ハンドルを押し戻し3の操作から繰り返して下さい。
  6. 濃度を読み取ります。
    規定量の採取が終了したら、ガス採取器から検知管を取り外し、濃度を読み取ります。温度補正の必要な検知管は、補正表または補正係数により補正します。

検知管(直読式)の読み方

  1. 変色層の先端が平らな場合は、変色層の先端の数値を読み取ります。
  2. 先端の変色が淡い場合も、変色層の先端の数値を読み取ります。
  3. 変色層の先端が斜めの場合は、変色層の斜め部分の中間の数値を読み取ります。

温度補正の方法

使用温度範囲(0~40℃)で、温度の影響を受ける検知管は、取扱説明書に温度の補正表または補正係数が示されていますので、必要に応じて補正して下さい。

なお、使用温度範囲の温度とは、ガス検知管の温度のことをいいますが、通常は測定環境の温度になります。

(例-1)補正係数を用いる場合

15℃での読み値が3.0ppmでした。この場合は、下表の10℃と20℃の係数から比例配分して15℃の係数を求めて、読み値に掛けます。

温度(℃) 0 10 20 30 40
補正係数 1.45 1.20 1.00 0.90 0.85

※測定値=3.0×1.1=3.3(ppm)

例-2)補正表を用いる場合

35℃での読み値が0.5%でした。この場合は、下表の30℃と40℃、0.6%と0.4%から比例配分して、35℃ 0.5%の真の濃度を求めます。

真の濃度(%)
読み値 20℃ 30℃ 40℃
0.6& 0.6 0.55 0.5
0.4% 0.4 0.35 0.3

下表の網掛け部分は、比例配分して求めた値です。この場合の真の濃度は、0.425%となります。

真の濃度(%)
読み値 20℃ 30℃ 40℃
0.6& 0.55 0.525 0.5
0.4% 0.425
0.4% 0.35 0.325 0.3

以上

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ご利用時間:午前8時30分~午後5時15分(土・日曜日・祝祭日、年末年始除く)

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